多機能型事業所 希望の家 職業指導員
大城 千明さん
障がいを持っている方の働く場所を提供する就労支援施設として、作業方法を指導したり、作業がしやすい環境を整えたりするのが私たちの仕事です。一般就労を目指してがんばっている利用者様もいるので、職場内でのコミュニケーションの取り方のアドバイスや、人間関係の悩み相談に乗るなど、作業以外のサポートもしています。利用者様がやりがいをもって作業ができるように、それぞれの興味に応じた仕事内容を考えてあげるのも大切な仕事です。グループホームでの生活や一人暮らしをしている利用者には、日常生活に関するサポートも行いながら、働く意欲につながる声かけをするように心がけています。
働く意欲が湧かず、作業に集中できない利用者がいました。最初は｢どうしてやってくれないの？｣と悩みましたが、意識して声をかけながら、その利用者に合った作業をいろいろと提案。根気よく続けて1年くらい経った今では、率先して作業をしてくれるようになり、｢人ってこんなに変われるんだ｣と驚きました。利用者にきちんと向き合い、個性を理解することで、それぞれに合った環境を提供することが大事なんだと学びました。 良かれと思って試みたことが逆効果に…ということもまだまだありますが、失敗と成功を繰り返しながら、利用者がやりがいを見いだせる環境づくりを続けています。
いろんな人と深く関われる仕事がしたいと思って福祉の仕事に興味を持ちました。福祉の現場は｢利用者をやさしく守ってあげる場所｣というイメージを持っていて、私自身もいつもやさしい人でありたいと考えていました。しかし実際に働いてみると、守ってあげるだけがやさしさではないと実感。ステップアップを目指す利用者のためにも、｢厳しさこそやさしさだ｣と自分に言い聞かせながら、時には厳しい言葉をかけることも必要です。 先輩方は厳しい中にも言葉や行動の全てに愛情があり、その思いが利用者に伝わっていると感じます。私もそんな生活支援員になれるように、たくさんの経験と知識を身につけていきたいです。
